先日青森市の、とある居酒屋へ行きました。
久々の訪問でした。
久々といっても、一回行ったことがあるだけですが。
数年前におじゃました時にとても楽しい時間をご提供していただき、
「もし青森へ行くときには・・・・・・行かなくても近くまで行った時には、必ず行こう!」
と思っていたお店でした。
新幹線に乗車中、
各座席に置いてある車内サービス誌『トランヴェール』を捲ると、びっくり!
なんとそのお目当てのお店が、2ページ使って掲載されてるじゃありませんか!
「こりゃ満席で入店できないかもしれない」
と思って店の戸を開けてみれば、やっぱり満席。
「せっかく青森まで寄り道して来たのに・・・・・・」。
ダメ元で、マスターに空席がないか訊いてみました。
大量の注文を捌いてて忙しいマスターの表情がピタッ!と止まりました。
「あ、断られる。しくじっちゃった。機嫌損ねちゃった。」と思ったら、奇跡が。
「お座敷の方のテーブル席が一つ空いたから、ちょっと待ってて」とのこと。
『トランヴェール』効果なのか、
本来こうゆうお店なのかわかりませんが、
本当忙しいそうなこと。
「こんな時に、数年前の御礼云々で話しかけたら仕事を邪魔しちゃうな。
覚えてるわけないし。
会計するときに、コンパクトに言おう」。
お客さんがポツポツお帰りになってきた頃、
カウンターの中で調理してるマスターが、
わざわざ注文品を何度か運んで来てくれるようになりました。
その度に、「サラッと数年前の感謝の気持ちを伝えよう」と思うものの、
忙しそうなので言えずじまい。
「ほとんど一見さんな客が馴れ馴れしく話しかけちゃ、ご迷惑だよな。
やっぱり店を出る時に、サラッとご挨拶して帰ろう」と思いかけた頃、
マスターが注文品を届けがてら、世間話を始めました。
「今日は何かあったの?」
よく来店客にするような、観光動向リサーチでもしてるのかな?
「今日はこの辺で何か観光イベントがあるのかどうか知りませんが、
実は数年前、これこれこうゆうわけでおじゃました者です。」
「いやいや、そうじゃなくて、どっかで落語の公演でもあったの?」
「えーーー!なんで落語家ってことまで覚えていらっしゃるんですか!?」
って訊いたら、
「店入って来て、すぐわかったよ。」
「えーーー!なんで?!」
「だって店入ってすぐの壁にポスター貼ってあるし」。
「えーーー!」
サンダル履いてそこまで歩み寄って見てみると、
なんとそこには春風亭愛橋のチラシが
ポスターのように細工されて貼ってあるじゃ、あ~りませんか!
その下には、昔昔亭健太郎の手拭いが寄り添ってました。
あーーー。
「あれからなかなか伺えなくてすみませんでした。
あの時にあまりにも気持ち良く過ごさせていただいたので、
御礼の気持ちも込めて、このお店に来るために、
今年ようやく寄り道して来れたのです。」
ってったら、
「そんな心配はいいよ。そんな(青森まで来る)時間があるんなら、稽古してください」。
ガーン。努力不足なのを見透かされてる。
マスター曰く、「私はこの歳ですが、
もっといっぱい技を身につけとくべきだったと思ってます。
仕込めるときに、鍛えといた方が良いよ。
早く青森でドーンとお客さん呼べるようになってくださいよ。」
素敵な方だ!
話も弾み、その夜も幸せな夜となりました。
ほとんど一見の客なのに、
故郷に帰ったような
あたたかい気持ちになりました。
ありがとうございます!
居酒屋ふく郎さん♪
※真ん中の顔は、ねぶたではありません?!