春風亭柳昇 七回忌追善興行 ご来場ありがとうございました。
いやあ、いっぱいのお客様でしたね。立ち見のお客様、申し訳ございませんでした。
改めて、柳昇一門って、すばらしいですね。
ところで、お帰りの際お配りした「七回忌追善パンフレット~師匠の思い出~」の私の原稿なんですが、編集人によって若干削除修正されていました。字数の関係で、修正してくれたのでしょう。ぜひ読んでいただきたいフレーズの部分でした。そこでせっかくなので、提出した原文を掲載します。(って、違い、わかるかなあ?)
「高座ラストチャレンジの日」
昔昔亭健太郎(春風亭柳二郎)
亡くなる2ヶ月前、ぐったりした状態なのにもかかわらず、「落語をしに行く!」と言い張る師匠。誰も想定してない急遽の決定でしたが、当時二つ目になりたてで一番暇な(今でもそうですが)私がお供をすることになりました。入院先の清瀬の病院から横浜にぎわい座へ、おかみさん運転の車はかっ飛びます。
にぎわい座へ到着したものの、当然ながら師匠は立ち上がることさえできません。そのまま引き返すことに。帰りの車中、
「ところで柳二郎(私の前座名)は、体の調子はどうだぁ?大丈夫か?」
心の中で「師匠こそ、大丈夫ですか?!」とツッコミを入れました。師匠の方が心や身体がせつなく辛かったはずなのに、ちょっと前までリハビリ療養生活を送っていた私を気遣ってくださったのです。師匠は続けて、
「今度みんなで、焼肉食いに行こうな」
「ありがとうございます」
私は半べそ状態を悟られないように、ただ景色を眺めていました。窓の外には、ちょうちょが舞っていました。春うららかな日のことでございます。
師匠、いつかそちらへ参りましたら、焼肉…いやいや、ご指導よろしくお願いいたします。
他にも、自己選考会に漏れた数作品がありますので、小出しに?発表していきますね。
お楽しみに。